職業病ともいえる腰痛の対策もしっかりやろう

介護職に就いている人の中で腰痛に悩まされている人はとても多い。入浴介助やトイレ介助などあらゆる場面で前傾姿勢になったり、腰をひねったりしていることなどが原因である。実際、日本福祉大学により行われた研究では、介護福祉士として働いている170名のうち半数以上となる130名が腰痛を感じているという結果が発表された。介護職に就いている人は、職業病ともいえる腰痛の予防や症状を和らげるための工夫をすることが大切だ。

その工夫としては、腰を曲げないことやストレッチをすること、腰痛対策グッズを使うことが挙げられる。介護では腰を曲げるのではなく膝を曲げ、体を重心ごと落とすようにしよう。また、足や背中といった腰まわりを支えている筋肉のストレッチを重点的に行い、柔軟性を高めることが望ましい。それにより、腰痛を予防できるだけでなく、すでに腰痛を発症している場合は軽減させる効果を期待することができる。

腰痛対策グッズについてはコルセットやベルトなどがある。腰痛の痛みがひどいときに使ってみるとよいだろう。ただし、コルセットやベルトは動きをサポートするものであり、腰痛自体の改善にはならない。さらに、長時間の使用で背中や腰まわりの筋肉が弱くなることもある。したがって、あくまでも応急処置として使うようにしよう。

また、リハビリ特化型デイサービスやグループホームを仕事先として選ぶという方法もある。リハビリ特化型デイサービスは入浴介助がないことが多く、グループホームは小規模で利用者の自立度が比較的高いため、その他の施設で働くよりも腰への負担が少ないからだ。